ホームに降り立った瞬間に漂う出汁の香り。姫路の名物といえば、JRのホームで長年愛され続ける「えきそば」を外すわけにはいかない。中華麺にかんすい入りの和風出汁、そしてサクサクの天ぷら。この独特の組み合わせは、戦後の物資不足の中から生まれた知恵の結晶だ。
だが、現在の食文化はそれだけにとどまらない。駅高架下の商業施設「ピオレ姫路」や「ヒメノミ」エリアには、姫路おでん(生姜醤油で食べる独自スタイル)を提供するモダンな居酒屋や、地元播磨の日本酒を取り揃えた角打ちバルがズラリと並ぶ。伝統の味と新しい食のトレンドが、駅のすぐ足元で共存している。