皇族費に関連して、もう一つ世間の関心が集中するのが「女性皇族がご結婚等で皇室を離れる際の一時金」です。
皇室経済法第6条では、皇族が皇籍を離脱する際、元皇族としての品位を保つための資金として「皇籍離脱の一時金」を国庫から交付することが規定されています。この金額は、その皇族が受けていた皇族費の年額をベースに、上限として「定額の10倍(約1億5,250万円)」を限度に皇室経済会議の議を経て決定されます。
過去の事例を見ても、黒田清子さん(紀宮さま)には約1億5,250万円、守谷絢子さん(高円宮家・絢子さま)には約1億675万円の一時金が満額支給されました。この資金は、一般社会に溶け込む元皇族が住居を構え、最低限の防犯・警備態勢を整えるための現実的な安全保障費用としての意味合いを持っています。
しかし、小室眞子さんの婚姻に際しては、結婚をめぐる世論の過熱と批判を受け、前例のない「一時金の全額辞退(不支給)」という特例判断が下されました。これについて法学者からは「一時金は私的なお祝い金ではなく、警備や元皇族としての品位維持を国として担保する制度的支出であり、世論の空気によって辞退を余儀なくされる構造は法治主義的に禍根を残した」との懸念も示されています。
一般のネット言説では「離脱しても裏で皇族費が送金され続けているのではないか」という疑念が囁かれることがありますが、会計検査院の検査を受ける国の厳格な公金管理において、そのような秘密裏の資金移動は法的に不可能です。皇籍を離脱した瞬間、皇族費の受給資格は完全に消滅します。