外見を華やかに彩るご祝儀袋だが、実際の管理作業を担う新郎新婦の親族目線に立つと、中袋の記載内容こそが極めて重要になる。中袋の表面中央には、黒の毛筆や筆ペンを用いて「金 参萬圓」のように大字(旧字体の漢数字)で金額を明記する。一般的な漢数字ではなく「壱・弐・参・伍・拾・萬」を用いるのは、後からの改ざんを防ぐという冠婚葬祭の歴史的知恵に基づいている。
裏面の左下には、自身の郵便番号、住所、氏名を丁寧な楷書で書き記す。結婚披露宴の終了後、新郎新婦はご祝儀袋を開封して芳名帳と照合しながら内祝い(お返し)の手配を進める。このとき住所や氏名が欠落していると、当事者に多大な照合作業の手間を強いることになる。水引については、「一度結んだら解けない」ことを意味する「結び切り」や「あわじ結び」が施された紅白・金銀のものを選び、何度あっても良い慶事用の「蝶結び」は絶対に避けるのが基本だ。