法廷の重い扉の向こうで、宗教法人としての存続をめぐる審理が淡々と続いている。文化庁が東京地裁に申し立てた解散命令請求は、日本の宗教行政および司法判断における歴史的な分水嶺となった。世界平和統一家庭連合側は徹底抗戦の構えを崩さず、信教の自由の侵害を主張し続けている。だが、長年にわたり被害者の声に耳を傾けてきた全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士たちは、民法上の不法行為責任が積み重なった組織の反社会性を厳しく追及する。
最大の懸念は、審理が長期化する過程での「資産隠し」だ。教団財産が海外へ流出したり、別団体へ移管されたりすれば、将来的な損害賠償請求が空振りに終わるリスクが極めて高い。被害救済の実効性を担保するための包括的な財産保全法制については、政治的な思惑や法理上の議論が交錯し、十分なスピード感を持った対応が取られてきたとは言い難い。法の隙間で時間を稼ぐ組織と、時間切れを恐れる被害者側の焦燥が交錯している。