今年に入り公表された国際共同研究の最新分析は、予防医学の常識を覆しつつある。これまで「感染しない人」と考えられていた個人の多くが、実は体内へのウイルス侵入を初期段階で完全に抑え込んでいるか、あるいは症状が一切表に出ない不顕性感染の状態でウイルスを処理している実態が浮き彫りになった。
世界保健機関(WHO)の集計データや国内の国立感染症研究所が実施した疫学調査でも、流行期に自覚症状が全くないまま抗体を獲得している人の割合が一定数存在することが指摘されている。つまり、「一度もかかったことがない」と認識している人々の何割かは、無症状のままウイルスとの戦いを制していたことになる。