「恵体」という表現のルーツを辿ると、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の電子掲示板「なんでも実況J(通称:なんJ)」に突き当たります。2010年前後、プロ野球の実況スレッドにおいて、恵まれた体格を持ちながらも打撃成績が振るわない若手・中堅の野球選手を評する言葉として頻繁に使われ始めました。
当時の象徴的なフレーズが「恵まれた体から糞のような打球」であり、これを四字熟語風に圧縮した「恵体糞打(えたいふんだ / けいたいふんだ)」というスラングが定着したのが直接の由来です。身長185cm以上、体重90kg超といった誰もが羨むフィジカルを誇りながら、実際の打席では内野ゴロや力のないポップフライを連発してしまう選手に対する、ファンの愛憎入り混じった自虐的ネタとして消費されていました。
一方で、その圧倒的なパワーを遺憾なく発揮してホームランを量産する選手に対しては「恵体豪打(えたいごうだ)」という称賛の表現が用いられます。後に対義語として、小柄ながら本塁打を放つ「貧体豪打」や、小柄で打撃も振るわない「貧体糞打」といった派生語も誕生し、ネット野球ファンの間で強固なスラング体系が構築されました。