公表された企業の情報は、瞬く間にデジタル世界を駆け巡る。厚生労働省の最新リストが更新されるたび、Yahoo!ニュースなどの大手WebメディアやSNSで大きく取り上げられ、トレンドの上位を占める事態が常態化した。単なる行政処分にとどまらず、ネット上のデジタルタトゥーとして永続的に企業の評判を毀損し続ける点に、現代ならではの恐怖がある。
かつてはジャーナリストや弁護士らによって構成された民間主導の「ブラック企業大賞」が社会的な注目を集め、企業への警鐘を鳴らす役割を果たしていた。しかし現在では、その啓発的な役割を国が引き継ぐ形となり、公的な法的手続きに基づく「社名公表」という実効性のある制裁措置として完全に定着したといえる。