物語のグランドフィナーレである原作第430話(コミックス最終42巻)では、決戦から「8年後の世界」という大胆な時間経過が描かれました。少年少女だった1年A組の生徒たちは20代半ばの立派な成人に成長し、それぞれの現場で社会に変革をもたらしています。
注目すべきは、彼らが単なる「ヴィラン退治の戦闘集団」としてではなく、社会構造そのものの歪みを正すリーダーとして進路を選び取っている点です。
主要メンバーの最新の進路・活動状況は以下の通りです。
- 緑谷出久:死柄木との激突でOFA因子の「残り火」を完全に使い果たした後は、母校である雄英高校のヒーロー科教員に着任。後進の育成に心血を注ぎ、生徒たちから深く慕われる指導者となっていました。
- 爆豪勝己:名実ともにトッププロとして君臨。傲慢だった性格はストイックなプロ意識へと昇華され、救助隊や警察とも強固に連携する理想のトップヒーローとしてランキング上位を爆進しています。
- 轟焦凍:家庭内の葛藤を克服し、冷気と炎熱の双方を完璧に融和させたプロヒーローとして街を守護。父親のエンデヴァーを心理的に超克し、市民に圧倒的な安心感を与える存在となっています。
- 麗日お茶子・蛙吹梅雨・八百万百:3名が共同で発起人となり、「個性カウンセリング普及拡大プロジェクト」を立ち上げました。トガヒミコのように、特異な個性ゆえに幼児期に虐待・孤立した子どもたちを早期救済するための巡回相談や法整備を推進しています。
- 障子目蔵:異形排撃に対する社会偏見を無くすための啓蒙活動とヒーロー活動を両立し、国内外から絶賛される人道的リーダーとして「イクラット平和賞」を受賞。
- 青山優雅:雄英高校を一度自主退学した後、通信制や一般支援の道を経て、改めて市民の手助けをする「民間のヒーロー」として一歩ずつ再起の道を歩んでいます。
そして最終話のハイライトとなったのが、教壇に立つ緑谷に対するサプライズでした。爆豪勝己が中心となり、A組の全生徒が8年間コツコツと資金を出し合い、アメリカのメリッサ・シールドや発目明の協力のもと、かつてオールマイトが用いた強化外骨格データをベースにした「最新型アーマード・スーツ」を開発・贈呈したのです。
スーツを装着したデクは、再び雄英A組の戦友たちと肩を並べ、青空へ飛び立ちます。「無個性に戻ったから終わり」ではなく、「仲間と共に勝ち取った技術と絆でヒーローを続ける」というこのラストシーンは、連載開始当初の「これは僕が最高のヒーローになるまでの物語」という独白を、極めて美しく回収した感動的な幕切れとなりました。