ここからは、ひまわりの約束の楽譜を探す人が見落としがちなポイントと、ネット上に流布する誤解を整理する。
まず、大きな誤解として「ひまわりの約束はジブリ映画の主題歌である」という認識がある。実際には、ひまわりの約束は2014年に公開された3DCG映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌であり、スタジオジブリ作品の『思い出のマーニー』とは直接の関係がない。しかし、同じ2014年夏に公開された作品であることや、両作品が「夏の感動作」としてメディアで並べて紹介されたことなどから、記憶が混同しているケースが少なくない。楽譜を探す際に「スタジオジブリ 思い出のマーニー 楽譜」と「ひまわりの約束 楽譜」を混在させて検索してしまう人もいるが、これは完全に別の作品である。
もう一つの盲点は、「コード譜」と「ピアノソロ譜」の違いを意識していないケースだ。ひまわりの約束のコード譜は、ギターやウクレレなどの伴奏用に、コードネームと歌詞が中心に書かれた楽譜で、メロディーの音符が記載されていないものも多い。ピアノで曲のメロディーを弾きたい人がコード譜を購入してしまうと、期待していた内容と異なるというギャップが生じる。
また、「上級者向けアレンジ」に関しても誤解がある。ネット上では「上級者向け=単に音符が多い」というイメージで語られがちだが、実際には音楽的な表現力やペダリング、強弱のコントロールなど、演奏技術の総合力が問われる。上級者向けアレンジに挑戦する場合は、単に指が動くかどうかだけでなく、曲の世界観をどう表現するかという視点が必要になる。
さらに、楽譜の価格に関する認識も更新しておきたい。有料の楽譜配信サービスでは1曲110円から購入できる時代になっており、「楽譜を買う=高額な曲集を買わなければいけない」という昔ながらの固定観念は、もはや実態に合っていない。むしろ、必要な1曲だけを低価格で購入できることが、楽譜配信サービスの最大の利点となっている。
ギター楽譜とコード譜の選び方
ひまわりの約束はギター弾き語り用の楽譜も多数リリースされている。ギターで演奏する場合は、大きく分けて「ソロギターアレンジ」と「弾き語り用コード譜」の2種類がある。ソロギターアレンジは、メロディーと伴奏を1本のギターで同時に演奏するスタイルで、フィンガーピッキングの技術が求められる。一方、弾き語り用のコード譜は、コードストロークやアルペジオで伴奏しながら歌うスタイルだ。
秦基博はギターを抱えて歌うシンガーソングライターとしてのイメージが強いが、原曲のギターアレンジは決して単純ではない。カポタストの使用位置やチューニングによって演奏感が大きく変わるため、ギター初心者が原曲キーのまま弾き語りに挑戦するのは難しいケースがある。初心者向けのギター楽譜を選ぶ際は、カポの位置や使用コードの数が明記されているものを選ぶとよい。