過酷な肉体労働でありながら、なぜ荷揚げ屋に挑む人が絶えないのか。その答えは、極めて独特な給与システムと労働時間にあります。荷揚げ屋の日給相場と給料事情を見ると、未経験のアルバイトであっても日給1万1,000円〜1万5,000円程度、経験を積んだレギュラー作業員なら日給1万8,000円〜2万5,000円前後に設定されているケースが一般的です。
さらに特筆すべきは、荷揚げ屋が早く終わる仕組みです。一般的な建設現場の仕事が「日当=8時間拘束」であるのに対し、荷揚げ屋の契約は多くの場合「指定された資材の搬入完了(玉出し)」で完了する請負型の出来高制に基づいています。例えば「4トントラック1台分の石膏ボードを3階フロアへ搬入する」という現場であれば、チームで全力投球して実働1時間半〜3時間程度で終わらせてしまっても、1日分(または半日分)の規定日給が全額保証されます。
体力自慢のベテランになると、午前中に1現場(1発目)、午後に別の現場(2発目)、夕方以降に夜間搬入(3発目)と、1日に2〜3現場をハシゴする「ダブル」「トリプル」をこなします。こうなると、拘束時間は一般的なサラリーマンと同等でありながら、日給換算で3万円〜4万円超、月収にして50万円〜60万円以上を体ひとつで叩き出すことが可能になります。これが「タイパ最強の稼げる現場職」として一部の若者や格闘家、アスリートから熱狂的に支持されているカラクリです。