陸上王者となった後も、武井壮の生活がすぐに華やかになったわけではない。アメリカへのゴルフ留学や最高権威のトレーニング指導に携わりながらも、芸能界への足がかりは掴めず、家を持たずに車上生活を送るという異例の下積み期を何年も過ごした。
転機が訪れたのは2012年、タレントの中居正広氏がMCを務めていた深夜番組『うもれびと』への出演だった。タンクトップ姿で「百獣の王を目指す男」として登場し、百獣の王としての猛獣の倒し方を真面目な顔で熱弁する姿は、視聴者とテレビ関係者に強烈なインパクトを与えた。
長年温めてきたネタと卓越したトーク力、そして本物のトップアスリートという説得力が融合した瞬間だった。一夜にしてエンターテインメント業界の注目の的となり、彼のブレイクの口火が切られたのである。