漢字の筆順を丸暗記しようとすると忘れがちですが、漢字の成り立ち(字源)と本来の意味を知ると、筆順の必然性が腑に落ちます。
【象形文字としての原点:象を手で導く姿】
白川静氏の漢字学研究等によると、「為」の甲骨文字・金文は、「人間の手(爪)」が「大きな象」の鼻や頭部を手なずけて働かせている姿を象った象形文字です。古代中国において、象を使役して作業を行わせたことから、「なす」「つくる」「おさめる」「働く」という意味が生まれました。
【部首「れっか(灬)」の謎】
「為」の部首は「れっか(火)」に分類されますが、これは火の意味を持っているわけではありません。古代文字における「象の足と尾」の部分が、文字の簡略化が進む過程で「灬」の形に変形したため、便宜上「れっか」の部首に分類されたという歴史的経緯があります。
上部の「手と象の頭部」を先に組み立て、最後に象の足元(灬)を据えるという組み立てプロセスを知れば、筆順を迷うことはなくなります。