アニメーション史に燦然と輝く名作『耳をすませば』。スタジオジブリが1995年に世に送り出したこの作品は、聖蹟桜ヶ丘駅周辺の景観を見事に描き出したことで知られる。近藤喜文監督が瑞々しいタッチで切り取り、宮崎駿氏が脚本と絵コンテを手掛けた青春物語の舞台には、今も国内外からファンが絶え間なく訪れる。
作中のキーアイテムとして登場するロータリーや、ヒロインが駆け下りた「いろは坂」を実際に歩いてみる。静寂な住宅街に佇む神社や見晴らしのよい高台からは、作品世界と寸分違わぬ情緒が漂う。歴史ある街並みを保存しながら、訪問客を優しく温かく迎える地域住民の取り組みが、この地での聖地巡礼体験をより特別なものに仕上げていた。