国立国会図書館に成人向け出版物が集まる最大の理由は、法律で定められた「納本制度」にあります。国立国会図書館法第24条および第25条に基づき、国内で発行されたすべての出版物は、民間・公報を問わず国会図書館への納入が義務付けられています。
この制度における収集対象には、学術書や新聞、文芸作品だけでなく、週刊誌やコミック、官能小説、さらにはビニール本や成年向け指定のコミック誌も含まれます。図書館側が「これは高尚な本」「これは低俗な本」と恣意的に選別・検閲することは、憲法が保障する表現の自由や検閲の禁止に抵触しかねません。
出版文化の歴史という観点からも、当時のサブカルチャーや性風俗、風俗史を物語る一次資料として極めて高い保存価値を持っています。商業出版ルートに乗ってISBNコード(国際標準図書番号)や雑誌コードが付与された出版物は、原則として網羅的な文化的資産として永久保存の対象になるのです。