貴闘力(本名・鎌苅忠茂)は、兵庫県神戸市出身。中学卒業後に名門・藤島部屋(のちに二子山部屋へ合流)に入門しました。当時の二子山部屋は、横綱・若乃花や貴乃花をはじめ、貴ノ浪、安芸乃島ら錚々たる実力者が揃う角界最強の稽古場。その過酷な環境のなかで、鋭い立ち合いと強烈な張り手、土俵際での強靭な粘りを武器に「切り込み隊長」として頭角を現しました。
彼の相撲人生における最大のハイライトは、2000年3月場所(春場所)です。当時、幕尻の東前頭14枚目まで番付を落としていた32歳の貴闘力は、破竹の勢いで白星を重ね、13勝2敗で見事に幕内最高優勝を達成。幕尻力士の優勝という史上初の快挙を成し遂げ、日本中に大きな感動を呼びました。
私生活では、昭和の大横綱・大鵬(納谷幸喜)の三女である納谷美恵子さんと結婚し、納谷家の婿養子となりました。現役引退後は年寄・大嶽を襲名。大鵬親方の定年に伴い、2004年に大鵬部屋の看板を引き継ぐ形で大嶽部屋の師匠となり、部屋持ち親方として新たなスタートを切ったのです。