増田薫の描くコミックエッセイは、日常の隙間に潜む滑稽さや哀愁を鮮やかに切り取る。どこにでもあるような風景や食事のワンシーンが、彼のフィルターを通すことで唯一無二の物語へと立ち上がるのだ。決して気取らない、だが恐ろしく精緻な人間観察がそこにはある。
その卓越したビジュアルセンスと構成力は、テレビ東京をはじめとする先鋭的なメディアの番組制作陣からも熱烈な支持を集めている。画面の隅々にまで散りばめられたこだわりと、見る者の肩の力を抜かせる独特の間合い。媒体の枠を超えて愛されるそのビジュアル表現は、映像メディアとの親和性の高さを証明し続けている。