広島市内から少し足を伸ばすと、瀬戸内の温かな歴史と情緒に触れられる穴場エリアが広がっています。世界中で愛されたアニメーション映画『この世界の片隅に』の舞台となった港町・呉。かつて東洋一の軍港として栄えたこの街には、いまも昭和の面影を残すノスタルジックな街並みと赤レンガの倉庫群がひっそりと息づいています。
車窓から穏やかな瀬戸内海を臨むJR呉線の旅は、時の流れをゆっくりと遅らせてくれます。主人公・すずが見つめたであろう街の坂道や、すり鉢状の港風景を辿る聖地巡礼は、映画ファンならずとも深いノスタルジーを呼び起こすでしょう。巨大な潜水艦が鎮座する「てつのくじら館」や「大和ミュージアム」では、技術の歴史と平和への想いが立体的に迫ってきます。