医療現場やドラッグストアで特に問題視されるのが、大人用の処方や市販品を「半分にして子どもに飲ませる」という誤った目分量投与だ。日本を代表する漢方メーカーである株式会社ツムラやクラシエ薬品株式会社などが提供する処方用・市販用の製剤は、成人の標準体重や代謝機能を前提に有効成分が設計されている。単に量を割るだけでは、特定の生薬成分が小児にとって過剰投与になる恐れがある。
小児科学の知見によれば、子どもの体重あたりの薬物代謝速度や受容体の感度は大人と全く異なる。大人用の葛根湯顆粒を目分量で割って与えた場合、成分の不均一な偏りが生じ、子どもに必要な正確な用量を維持することは不可能に近い。子供専用として作られた小児用葛根湯は、味の苦みを抑える工夫とともに、幼小児の体に負担をかけないよう成分の抽出量や添加物が専用設計されている点を知っておく必要がある。