2026年、本誌は「感謝」をテーマに制作を続けるトップ書道家に独自取材を敢行した。そこで見えてきたのは、古来から受け継がれてきた伝統技法と、現代アートの自由な感覚が見事に溶け合う表現の舞台裏だ。筆の穂先に込める重圧の強弱、墨汁の濃淡、和紙の滲み具合に至るまで、極限の集中力の中で計算し尽くされている。作品を見る者の心を揺さぶるのは、文字に宿る圧倒的な感情のエネルギーにほかならない。
取材に応じた書道家は、「『感謝』という文字は、自分自身のエゴを削ぎ落とした先にしか本当の姿を現さない」と語る。千年の歴史を持つ和紙の摩擦抵抗と、一瞬の直感で走らせる筆の躍動。伝統の型を守りながらも既成概念を打破するその佇まいは、観客に深い感銘を与え、言葉の壁を超えて直感的な共感を呼び起こしている。