ファンの間で「おばみつ」と称され、物語屈指の純愛として語り継がれる蛇柱・伊黒小芭内との関係性。二人の物語は、胸を締め付ける悲壮な結末と、それを超える深い愛によって完結します。
緑の靴下から始まった、言葉少なき純粋な想い
伊黒は初対面の時から蜜璃に惹かれており、彼女の恥ずかしがり屋な性格を誰よりも理解していました。隊服の露出度が高すぎることに戸惑う蜜璃へ、緑色のニーハイソックスを贈ったのは伊黒です。蜜璃はその靴下を大切に履き続け、二人は頻繁に文通を交わし、食事を共にして心を通わせていました。
しかし、鬼の一族に生まれ生贄として育てられた自らの血を「汚れている」と断じていた伊黒は、「無惨を倒して命を落とし、一度死んで綺麗な体になってからでなければ、蜜璃に想いを伝える資格はない」と自らに過酷な戒めを課していたのです。
無惨戦での死亡理由と、涙の来世プロポーズ
最終局面である無惨との死闘において、蜜璃は最前線で命を削って戦い続けました。無惨の肉体から放たれる衝撃波と猛毒を受け、左耳や左頬を削ぎ落とされる重傷を負いながらも、素手で無惨の触手を引きちぎる驚異的な底力を見せ、勝機を切り拓きます。
しかし、激戦による致命傷と無惨の猛毒による肉体崩壊、そして過度の出血多量によって、蜜璃の生命の灯火は限界を迎えていました。すでに視力を失い、同じく瀕死の重傷を負っていた伊黒の腕の中で、彼女は静かに最期の時を迎えます。
「私……あんまり役に立たなかったね。ごめんね……」と弱音を吐く蜜璃に対し、伊黒は「そんなことはない、君の明るさと優しさがどれほど自分を救ってくれたか」と全身全霊で伝えました。そして蜜璃が遺した「また人間に生まれ変われたら、私のことお嫁さんにしてくれる?」という願いに、伊黒は涙を流しながら「絶対に君を幸せにする」と誓いを交わしたのです。
この誓いは200年の時を超え、最終話(現代編)にて定食屋を営む仲睦まじい夫婦として転生する形で果たされました。メガ盛りの料理を笑顔で提供する蜜璃と、蛇の置物を飾り彼女を優しく見守る伊黒の姿は、多くの読者の涙を誘い、救済の物語として永遠に記憶されています。