長年にわたり大晦日の風物詩として君臨した企画も、時代の波とともに曲がり角を迎えることとなった。ファンを最も賑わせたのが「なぜ名物企画は封印されたのか」という議論だ。真相を探ると、単一の理由ではなく複数の構造的な要素が見えてくる。
第一に、日本のテレビ業界全体を覆うコンプライアンス意識の劇的な変化がある。バラエティ番組における身体的負荷を伴う罰ゲームへの風当たりは年々強まり、暴力描写に対する視聴者や放送倫理機関の視線は厳しさを増した。制作陣は過剰な刺激に頼らない新たな笑いの形を模索せざるを得なくなったのだ。
第二に、出演者の肉体的な限界と安全面への配慮である。蝶野正洋自身もプロレスラーとしてのキャリアを重ね、長年の打撃による身体への負担は小さくない。一方、受ける側の月亭方正も年齢を重ねる中で、ガチの打撃を受けるリスクは跳ね上がっていた。プロレスのプロとリアクションのプロが織りなす「安全かつ本物の迫力」を維持することが難しくなった点も、実質的な幕引きを決定づけた要因と言える。