天母の湯の浴室に足を踏み入れると、まず目を引くのが立体的な構造を生かした多彩な湯船の配置です。傾斜地に建てられた施設特性を活かし、内湯から露天エリアへと開放感あふれる空間が広がっています。
露天風呂エリアは豊かな緑に包まれており、昼間は木々の間から差し込む木漏れ日と心地よい風を感じながらの森林浴、夜には眼下に広がる富士宮市街や駿河湾方面のきらめく夜景を遠望できます。高台ならではの澄み切った外気の中で浸かる湯船は、日々の喧騒を忘れさせてくれる格別のひとときです。
そして、天母の湯の代名詞とも言えるのが、じっくりと生薬成分を抽出した名物の「薬湯(百草湯)」です。複数の厳選された生薬やハーブが配合された独特の褐色の湯は、湯口から漂う芳醇な香りが自律神経を優しく整えてくれます。
薬湯の主な効能としては、冷え性の改善、神経痛、腰痛、肩こりの緩和、さらには肌のターンオーバーを促す美肌効果が挙げられます。富士山の恵みである清らかな伏流水をベースに加温された湯は肌当たりが柔らかく、薬草の有効成分が身体の芯までじっくりと浸透。湯上がり後も長時間にわたってポカポカとした温もりが持続します。