通報を受けた北海道警と地元ハンターによる救助隊が現地入りした7月29日、稜線上ではまだヒグマが犠牲者の遺体の周辺を徘徊していました。ハンターの手によってその場で射殺されたヒグマは、推定3〜4歳の若いメスで、体重は約130kgと成獣としては小柄な個体でした。
解剖の結果、胃の中から人肉は検出されず、人を食べることを目的として執着していたわけではないことが判明しました。好奇心と所有欲、そして一度人間を圧倒したことで生じた優位性が、連続襲撃という異常行動を生み出していたのです。
九死に一生を得て生還した2名の生存者は、救助直後の証言で「クマはこちらの目をじっと見つめながら、走るでもなく確実な足取りで距離を詰めてきた」と語っています。人間側の恐怖や混乱を見透かしたかのような冷酷な追尾劇は、ベテランハンターたちをも戦慄させました。