「曾孫(ひ孫)」の「曾」は重なることを意味し、「玄孫」の「玄」は奥深い暗闇や黒を意味する。なぜ親族の呼び名に黒や闇を意味する漢字が使われているのだろうか。
中国の古代思想において、「玄」は「遠くてはっきり見えない」「奥深い」といった意味合いを持つ。親から数えて4世代も離れると、もはや本人の顔や存在がはっきりとは見通せないほど遠い子孫になる——そうした距離感を表すために「玄孫」という漢字が当てられたとされる。また、玄孫の先にある「来孫」の「来」は「未来からやってくる」ことを示し、「昆孫」の「昆」は「後から生まれる」という意味を持つ。昔の人々の時間感覚や命の広がりに対する畏敬の念が、これらの言葉に凝縮されているのだ。