1996年7月7日、七夕の日。群馬県太田市内のパチンコ店で、両親が遊技中にわずかな隙をついて姿を消した横山ゆかりちゃん。事件発覚直後から大規模な警察捜査が展開されたが、足取りは店内の防犯カメラの映像を最後にぷっつりと途絶えた。
捜査資料を読み解くと、当時の目撃証言にはいくつか不可解な食い違いが存在する。店外でゆかりちゃんに似た女児が男と一緒に歩いていたという証言がある一方で、近隣の駐車場で白いセダン型の乗用車に乗り込む姿を見たという声も寄せられていた。また、男がゆかりちゃんに対して指を指しながら話しかけ、慣れた様子で誘い出していた点から、顔見知りの可能性すら噂された。
証言の矛盾や錯綜は、初期捜査の焦点を絞り込むことを難しくさせた。しかし、現場に残された唯一の客観的証拠であるカメラ映像こそが、虚飾のない真実を語り続けている。