Esblの感染経路と家族リスク|保菌と発症の違い・最新対策を解説

Esblの感染経路と家族リスク|保菌と発症の違い・最新対策を解説

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医療現場において、医師から「ESBLが検出されました」と告げられた際、真っ先に確認すべきは「保菌(colonization)」なのか「発症・感染(infection)」なのかという点です。この2つの状態を混同することが、家族や介護者のパニックを引き起こす最大の要因となっています。

「保菌」とは、ESBL産生菌が腸管内や皮膚の一部に住み着いているだけで、宿主の生体に炎症や組織破壊を起こしていない無害な状態を指します。この段階では自覚症状が一切なく、血液検査でも炎症反応(CRPなど)は上昇しません。医学ガイドライン上も、単なる保菌状態に対する抗菌薬治療は「絶対に推奨されない」と定められています。無理に除菌しようと強い抗菌薬を使えば、かえって耐性菌を増やし、体内の菌交代現象を招くリスクが高まるためです。

これに対し「発症」とは、菌が腸管から尿路、血流、呼吸器、手術創などに侵入し、組織を侵して臨床症状を引き起こしている状態を指します。ESBL産生菌による感染症の中で最も発症頻度が高いのが「尿路感染症」(膀胱炎・腎盂腎炎)です。尿道カテーテルが留置されている高齢者や、排尿障害を持つ患者において、尿管を伝って菌が逆行性に侵入することで発症します。

発症すると、38度以上の高熱、排尿時痛、側腹部痛、混濁尿などの症状が現れます。重症化すると菌が血流に乗って「敗血症」を引き起こし、多臓器不全に陥る危険性があります。ESBL産生菌はペニシリン系やセファロスポリン系といった第一選択の抗菌薬を無効化する「抗菌薬耐性」を有しているため、治療にはカルバペネム系抗菌薬など限られた薬剤を慎重に選択する必要があります。

池田 達也
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池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。