メガホンをとったM・ナイト・シャマラン監督は、視覚的なシグナルを巧みに使って観客の無意識を操作した。その代表例が「赤色」のカラーモチーフである。
生者の世界と死者の世界が交錯する場所に、監督は必ず赤を配置した。コールの着る服、ドアノブ、教会の中の装飾、そして秘密の教会の階段。視覚的に強い印象を与える赤が登場するとき、そこには死者の存在や異変が潜んでいる。シャマランは意図的に赤を配することで、観客の意識を真実から遠ざけつつ、直感的な違和感を植え付けた。
また、カメラのフレームワークや登場人物の視線の動きにも計算が張り巡らされている。マルコムが部屋に入るとき、常に他人が先に部屋を出たり、ドアが開いた状態になっていたりする。注意深い観察者であっても一回目の鑑賞で気づくのは至難の業だ。