リリー・フランキーという表現者は、常に人間の「業」や「毒」を優しく包み込むような視線を持っている。一方で長澤まさみは、役に命を吹き込み、作品全体を照らし出す「光」のエネルギーを持つ。一見対極にある表現スタイルだ。
だが、共演作を振り返ると、リリーの存在が長澤の内に潜む陰影を引き出し、長澤の存在がリリーの毒気をどこか愛おしいものに変えていることに気づく。互いが互いの触媒となり、一人では到達できない演技の深みへと足を踏み入れていく。これこそが、多くの映画監督やプロデューサーが二人を同時に呼び寄せたくなる理由だろう。