「お守りを2つ持つと神様が喧嘩する」という話は広く知られていますが、結論から言えばこれは完全な俗説(迷信)です。日本を代表する神道組織である神社本庁の公式見解においても、お守りの複数持ちによって神様が争ったり、ご利益が打ち消されたりすることはないと明言されています。
日本には古来より「八百万(やおよろず)の神」という信仰があり、無数の神々がそれぞれの役割を持ちながら調和して国を守っていると考えられてきました。神道の世界において、神様同士が嫉妬したり反発し合ったりすることは基本的にありません。むしろ、複数の神様にお祈りすることで、それぞれの御神徳が重なり合い、より手厚い加護を受けられると捉えるのが本来の考え方です。
ではなぜ「神様が喧嘩する理由」などという噂が広まったのでしょうか。その背景には、昔の人が「あれもこれもと欲張って集め、粗末に扱うこと」を戒める意図がありました。神棚や引き出しの中に乱雑にお守りを放置するような不敬な態度を避けるため、子どもや民衆に向けてわかりやすく「喧嘩するから大切にしなさい」と教えた名残が、現代に誤解として定着したとされています。