波乱万丈のキャリアを経て、現在の彼はどのような生活を送っているのか。ウランバートルと東京を往復する多忙な日々のなか、彼が今最も情熱を注いでいるのが、日本とモンゴルの未来を担う人材育成事業だ。水面下で進められている新たなスポーツアカデミー設立構想は、単なる相撲の技術指導にとどまらず、両国の文化交流と語学教育を融合させたかつてない規模の計画となっている。
「相撲に育ててもらった恩を、両国の架け橋となる子供たちに返したい」。関係筋への取材で浮かび上がったのは、過去の金銭トラブルやゴシップ報道を乗り越え、教育者・プロデューサーとして次世代を見据える実業家の姿だ。砂まみれの稽古場で培ったハングリー精神は、いま教育とスポーツビジネスという新たなフィールドで確かな果実を結ぼうとしている。この重厚な歩みは、ひとつの良質なスポーツノンフィクションとして後世に語り継がれるべき軌跡だ。