主要空港の保安検査場付近に設置された「危険物破棄ボックス」を覗くと、化粧品類やライターと並んで、数多くの有名ブランド製コードレスヘアアイロンが並んでいる現実があります。航空各社のグランドスタッフや保安検査員への取材、SNS上に寄せられた生々しい体験談からも、その深刻さが浮き彫りになっています。
「修学旅行の出発時、友達とお揃いで買ったばかりの1万5000円の充電式アイロンを検査場で指摘された。電池が外れないタイプだとその場で知り、泣く泣くゴミ箱に捨てるしかなかった」(10代女性・SNS投稿より)
「出張先でのWeb会議に備えてスーツケースに入れて預けたら、搭乗直前にアナウンスで呼び出された。荷物を開けさせられてアイロンを取り出され、便の出発遅延を引き起こしかけて周囲の視線が本当に痛かった」(20代女性・ビジネス客の手記より)
現場の保安検査員は、X線モニターに映る影からバッテリーの配置構造を一瞬で見抜きます。一度検査で引っかかれば「知らなかった」「今回だけ見逃してほしい」という個人的な懇願は一切通用せず、「その場で自発的に破棄する」か「搭乗を取りやめて見送る人に預ける・コインロッカーへ預け直す」という厳しい二者択一を迫られます。