織田裕二という名を聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは『踊る大捜査線』シリーズの青島俊作刑事かもしれない。青いコートを羽織り、正義感と泥臭さをもって奔走したあの姿は、日本のドラマ史に不滅の足跡を刻んだ。しかし、彼は過去の栄光に甘んじることを決して良しとしなかった。
近年の作品選びを見ても明らかなように、彼は自らのパブリックイメージを軽やかに打ち破り続けている。複雑な過去を背負った弁護士、暗躍する政治家、あるいは葛藤を抱える父親役まで、泥臭い人間味あふれるキャラクターから冷徹なハマリ役までを見事に演じ分ける。過去の伝説を超えようとする貪欲な姿勢こそが、彼を常に第一線にとどめている理由だ。