変装もそこそこに、一ファンとして阪神甲子園球場のアルプススタンドやバックネット裏に姿を現す渡辺謙。その行動力はファンにとっても語り草だ。VIPルームでの観戦に留まらず、一般客に混じって六甲おろしを熱唱し、メガホンを打ち鳴らす。そこにハリウッドの威風堂々たる威圧感はない。
球場関係者が明かす秘話によれば、彼は試合前の練習風景からじっくりと観察し、若手選手の足の運びやベンチの雰囲気を細かく分析しているという。「甲子園の浜風、独特の土の匂い、そしてファンの地鳴りのような歓声。あの空間に身を置くこと自体が、僕にとって最大のエネルギー補給なんです」。彼にとって聖地甲子園は、心を無にして歓喜と悔しさを爆発させられる唯一の場所なのだ。