市役所からの情報漏洩に先立ち、事件の引き金を引く決定的な失策を犯していたのが警察でした。2011年9月に神奈川県警が加害者を脅迫容疑で逮捕した際、執行にあたった警察官が逮捕状に記載された被害者の「結婚後の新しい名字」と「逗子市」という居室地域を被疑者の目の前で声に出して読み上げたのです。
当時、被害者は旧姓から改姓し、転居先も加害者には一切伏せていました。しかし、警察が逮捕状の文言を無配慮に読み上げたことで、加害者は「被害者が新しい姓を名乗っていること」と「逗子市内に住んでいること」という、特定に向けた最大のピースを手に入れてしまいました。
加害者はこの情報を手掛かりにネット上で情報を集め、探偵業者へ調査を依頼しました。被害者を保護すべき立場にある捜査機関が、加害者に対して決定的な手がかりを与えてしまったこの「逮捕状読み上げ問題」は、警察組織の危機管理意識の欠如として激しい批判を浴びることとなりました。