本作を語る上で避けて通れないのが、視聴率を巡る報道各社の報道と、主演を務めた石原さとみの強い責任感にまつわるエピソードです。高嶺の花 視聴率は、ビデオリサーチ(関東地区)の調べによると、初回こそ11.1%の好スタートを切ったものの、中盤で7%台まで落ち込み、最終回で11.4%まで持ち直したものの、全話平均視聴率は9.5%となりました。
当時の水曜ドラマ枠は、石原さとみ自身が主演した『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』など2桁維持が当然視されていた激戦区であり、惜しくも平均10%の大台を割り込む結果となりました。報道各社や関係者の証言によると、都内で行われたドラマの打ち上げの席で、石原さとみは壇上に立ち、「全責任は私にあります」「ご迷惑をおかけしました」と悔し涙を流しながら大号泣したと伝えられています。
この打ち上げでの涙は、単なる数字への落胆ではなく、妥協を許さずに挑んだ作品への凄まじい熱量と、スタッフ・共演者を背負う座長としての凄まじい矜持の表れでした。相手役を務めた高嶺の花 峯田和伸も、彼女の全身全霊の芝居に引っ張られるようにして魂のぶつかり合いを演じたと後に各メディアの対談で振り返っています。数字という一面的な指標だけでは測れない、現場の濃密な熱量が画面から溢れ出ていたことは間違いありません。