善福寺川沿いの歴史は、洪水との闘いの歴史でもあった。急激な都市化に伴い、雨水が短時間で河川に流入する「都市型水害」の危機に度々見舞われてきた過去がある。しかし、近年の都による大規模な大規模浸水対策プロジェクトが実を結んだ。環七地下広域調節池との連携強化や、河川沿いの地下深くにくみ上げられた遊水施設の最新化により、時間100ミリを超える激しい豪雨であっても、河川水位を安全にコントロールできる体制が整った。
地域住民の安心感は格段に増した。「以前は強い雨が降るたびに川の様子を気にしていましたが、いまは防災インフラへの信頼感が全く違います」と、川沿いに20年以上暮らす住民は語る。コンクリートで固めるだけの力技ではない。水害リスクを極限まで減らしつつ、地上の緑地スペースを水と親しむためのオープン空間として開放する試みが、都市防災の新たな基準を提示している。