天皇家を理解するうえで、日本近現代史の文脈を無視することはできない。明治、大正、昭和の激動を経て、戦後憲法下で「象徴」へと再定義された天皇の存在意義は、固定されたものではなく、歴代の天皇自身が国民との対話を通じて手探りで築き上げてきたものだ。
かつて反響を呼んだドキュメンタリー『NHKスペシャル 象徴天皇 模索の道』が描き出したように、天皇の活動とは常に「国民の統合」をいかに具現化するかという不断の問いかけである。今上天皇(徳仁)は、水問題の研究を通じた環境視点や、社会の周縁に追いやられがちな人々へのまなざしを通じ、令和ならではの象徴像を彫り深く築き上げようとしている。