一般的にオッドアイと呼ばれる現象は、医学的には「虹彩異色症(ヘテロクロミア)」を指します。これは左右の虹彩に含まれるメラニン色素の量が異なることで、瞳そのものの色が変わる症状です。
一方、デヴィッド・ボウイの症状は「瞳孔不同(アニソコリア)」と呼ばれる状態でした。15歳の時の負傷によって左目の瞳孔括約筋が麻痺し、光の強さに応じて瞳孔を縮める(縮瞳)機能を完全に喪失。左目の瞳孔が常に限界まで開きっぱなしになる「散瞳(さんどう)」が固定化してしまいました。
瞳孔は光を吸収する黒い空間であるため、瞳孔が全開になった左目は、青い虹彩の部分がほとんど覆い隠され、漆黒や深いヘーゼルブラウンに見えます。つまり、「右目は青い虹彩が目立ち、左目は巨大化した黒い瞳孔が目立つ」という光学的錯覚が、ボウイ特有の魅惑的なオッドアイ効果を生み出していたのです。