彼女の膨大な財産を語る上で避けて通れないのが、インドネシアの初代大統領であるスカルノとの結婚である。1950年代末、若き日のデヴィ・スカルノは東洋の真珠と称えられ、大統領の第3夫人として迎え入れられた。当時のインドネシア政府の中枢において、彼女は単なる妻にとどまらず、国際外交の舞台でも重要な役割を果たした。
軍事クーデターによる政変という劇的な歴史の波に飲まれながらも、彼女は国家的な庇護や亡命先の欧州で独自の立場を確立していく。パリへ逃れた彼女は、各国の王侯貴族や富豪が名を連ねる国際的な社交界へ足を踏み入れた。この時期に培われた各国のハイソサエティとの太いパイプこそが、後に彼女が世界規模の資産運用や事業を展開する最高峰の基盤となったのである。