サラダが水っぽくなる最大の原因は、野菜からの脱水と春雨の吸水バランスの崩れにある。従来は塩もみしたきゅうりを強く絞る手法が一般的だったが、調理科学の進化に伴い、現代のプロは異なるアプローチをとる。塩分濃度2%の塩水に短時間浸してから水気を取ることで、細胞膜を破壊しすぎずにしなやかな食感を残す技法が主流だ。水分をただ抜くのではなく、シャキッとした歯ごたえをキープする工夫がここにある。
さらに、緑豆春雨の扱い方にも劇的な変化が見られる。茹で上がった春雨を冷水で締めた後、水気を切るだけでは不十分だ。温かい状態のうちに微量のごま油を少量絡めておくことで、表面に薄い油の膜が形成される。これが「油のコーティング」となり、時間の経過とともにきゅうりやハムから出るわずかな水分を弾き、春雨が水分を吸って伸びてしまうのを物理的に防ぐ仕組みだ。