長年にわたり土俵の興奮を茶の間に届けてきた『NHK大相撲中継』のアーカイブ映像を振り返ると、黒姫山の洗練された取り口の凄みが如実に伝わってくる。NHKが記録し続けた映像資料には、彼の低い立ち合いと、下からかち上げる理想的な角度の突きが鮮明に残されている。
実況アナウンサーが「まさに重戦車!」と絶叫するシーンは、昭和の大相撲を象徴する名場面だ。ただ体重が重いだけではなく、足裏全体で土俵を捉え続ける強靭な下半身の粘りこそが、彼を長年にわたり名関脇たらしめた最大の要因だったことが映像分析からも明らかである。