土地価格の上昇とともに、住宅建設業が直面する労務コストや輸入木材・建材の高止まりは、建物の建築坪単価を押し上げ続けている。完全自由設計の注文住宅を都内で建てようとすれば、建物本体だけで坪120万〜150万円を超える見積もりも珍しくなく、土地代と合わせた総額は容易に1億円の大台を突破する。
こうした予算の壁を乗り越えるため、都内市場で独自の進化を遂げているのが狭小住宅だ。敷地面積15坪から20坪前後の限られた敷地を最大限に活用する木造3階建てや鉄骨造の設計技術は、ここ数年で飛躍的に洗練された。耐震等級3を確保しながら柱の少ない広々とした2階LDKを実現し、採光を補う吹き抜けやトップライト、大容量の壁面収納を巧みに配置するプランが支持を集めている。
一方で、あらかじめパッケージ化された建売住宅も、かつてのような「画一的で安普請」なイメージを払拭しつつある。スケールメリットを活かして断熱性能を高め、デザイン性を高めたハイグレード建売が登場したことで、高コストな注文住宅から柔軟にシフトする層も目立つ。