波乱の展開を辿ってきた徳島県新文化芸術ホール整備プロジェクト。かつての計画は膨大な建設費と維持管理コストがネックとなり、県民の間でも賛否が真っ二つに割れていた。そこに一石を投じたのが後藤田知事だ。財政の健全化を強く訴え、従来型ハコモノ行政からの脱却を提示したことで、ホール計画は完全な仕切り直しとなった。
県庁内部での度重なる専門家ヒアリングや現地調査の末に見えてきたのは、規模の拡大だけを追うのではなく、多目的な利便性と持続可能性を兼ね備えた施策の重要性である。単にコンサートを開催するだけのハコではなく、地域経済の循環を生み出す高付加価値なインフラへと再定義する作業が、いま静かに進行している。