ふたりの物語は、石川県の星稜高等学校時代にまで遡る。当時から全国にその名を轟かせていた本田圭佑は、練習試合で対戦したライバル校のベンチに座るマネージャー――美沙子さんに一目惚れをした。
試合終了のホイッスルが鳴り響いた直後、彼は相手ベンチへ迷わず歩み寄った。「俺と付き合ってくれ」。周囲の選手たちが呆気にとられるなか、その場で堂々と交際を申し込んだエピソードは、ファンの間でも伝説的な逸話として語り継がれている。
高校卒業後、プロサッカー選手として名古屋グランパスでキャリアを切り拓き始めた本田に対し、彼女は保育士としての道を歩んでいた。遠距離恋愛の時期も互いの夢を尊重し合い、2008年、オランダのVVVフェンロへの移籍を果たしたタイミングで正式に入籍。若きサムライがヨーロッパの荒波へ飛び込む瞬間、彼女もまた人生を懸けた決断を下した。