2000年代後半、エンタメ界に激震が走った。一度見たら忘れられない圧倒的な透明感と、どこか陰のある眼差しを持つ少女の登場。それがすべての始まりだった。メディアは狂喜乱舞し、彼女の写真や映像が街中に溢れた。だが、渦中にいた本人の心象風景は、世間の狂熱とは対照的なほど静まり返っていたという。
「自分という人間が都合よく消費されていく感覚」に対する、言葉にならない強烈な違和感。当時の彼女を知る関係者は、「年齢からは想像もつかないほど冷静に、冷ややかな目で己の置かれた状況を俯瞰していた」と述懐する。大人があらかじめ用意した筋書きをそのまま演じることへの衝動的な反発。その小さな抵抗の熱量こそが、後の彼女のあり方を決定づける原動力となった。