無罪推定の理念は、権力者が恣意的に市民を断罪してきた暗黒の歴史に対する血のにじむような反省から生まれました。その源流は、1789年のフランス人権宣言第9条「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」に明確に刻まれています。
国際的な規範としては、1948年に国連総会で採択された世界人権宣言 第11条第1項が決定的な条文化を果たしました。
「何人も、刑事上の罪に問われている間は、自己の弁護に必要なすべての保障を与えられた公開裁判において法律に従って有罪の立証があるまでは、無罪と推定される権利を有する」
この理念は国際人権規約(B規約)第14条2項にも継承され、世界共通の人権スタンダードとして確立されています。では、日本における刑事訴訟法 推定無罪 根拠はどうなっているのでしょうか。実のところ、日本の現行法には「無罪と推定する」という文言そのものは直接書かれていません。しかし、最高裁判所の判例および通説は、日本国憲法第31条(適正手続の保障)や第37条(公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利)を淵源としています。さらに刑事訴訟法第336条が「被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない」と明定しており、これが冤罪防止 法的根拠の強固な中核を成しています。