日本国内で最も人々の関心を集め、同時に不安を掻き立てるのが地震や災害の予言です。周期的に「〇月〇日に巨大地震が発生する」という投稿が拡散されますが、これらには大予言としての科学的根拠は一切ありません。
気象庁や地震調査研究推進本部の公式見解によれば、現代の地震学・地球物理学において「日時」「場所」「規模(マグニチュード)」の3要素をピンポイントで特定して予知することは不可能とされています。プレート境界の歪み蓄積や過去の発生頻度から「今後30年以内に70〜80%の確率」といった長期的な確率予測は可能であるものの、「明後日の正午に発生する」といった精度での予測技術は存在しません。
では、なぜ災害予言は後を絶たないのか。その背景には、人間の「ランダム性への恐怖」があります。いつ起きるかわからない自然災害に対し、人間は「時期があらかじめ分かっていれば防げる・対処できる」という防衛本能を抱きます。予言は、不確実な自然界の脅威を「既知のシナリオ」に落とし込みたいという深層心理の防衛機制として機能してしまうのです。