下着を履いていないとなると、誰もが懸念するのが「激しい取組の中でまわしが外れてしまったらどうなるのか」という点です。日本相撲協会の審判規定には、まさにこの事態を想定した極めて厳格な条文が設けられています。
競技規定の反則事項(罰則規定)には、「取組中に前袋が外れて局部が露出した場合、反則負け(不浄負け)とする」と明記されています。文字通り「不浄な部分を見せてしまったことによる負け」を意味し、勝負審判や行司によって即座に取組が止められ、相手力士に白星が与えられます。
大相撲の長い歴史の中でも、本場所で不浄負けが記録された事例は極めて稀です。昭和以降では、2000年(平成12年)5月場所において、十両の取組(朝乃若 対 朝乃霧)で実に83年ぶりとなる不浄負けが発生し、当時のメディアで大きな話題となりました。
なお、激闘の中で廻しが緩んだ場合、行司が機転を利かせて「待った」をかけ、土俵上で廻しを締め直す「まわし待った」という救済措置が存在します。これにより、力士の尊厳を守りつつ公正な勝負が継続できるよう工夫されています。