原作小説と映画版を比べると、上映時間2時間強のエンターテインメントとして成立させるため、いくつかの大きな改変が行われています。
特に顕著なのが『天使と悪魔』における人間関係の描写です。原作小説では、物理学者ヴィットリア・ヴェトラとラングドンの間にロマンスの要素が色濃く描かれていましたが、映画版では恋愛描写がバッサリと削ぎ落とされ、「知的パートナーとしての共闘関係」に特化しています。これにより、タイムリミットサスペンスとしての純度が極限まで高まりました。
また、物語の核心を握るカメルレンゴ(教皇侍従)の行動理由や、事件の決着に至るシークエンスも映画向けにドラマチックに整理されています。原作を読んだことがある方でも、映画ならではのダイナミックな映像表現とアレンジによって新鮮な驚きを味わえる構成です。