事件の舞台となった大口病院は、事件発覚後に激しい世論の批判と風評被害にさらされました。事件前から院内ではエプロンが切り裂かれたり、スタッフのペットボトルに異物が混入されたりするなどのトラブルが頻発しており、職場環境の荒廃や内部統制の不備が指摘されていました。
病院側は2017年に名称を「横浜はじめ病院」へと変更し、警備員や防犯カメラの増設、薬品管理体制の全面刷新を行って2019年に外来・入院診療の再開を試みました。しかし、一度失墜した地域からの信頼を取り戻すことは極めて困難でした。入院患者の激減や医師・看護師の確保難が重なり、経営は急速に悪化。結果として病院は休診へと追い込まれ、最終的には医療機関としての歴史に幕を閉じる(閉院)こととなりました。
現在、旧大口病院の建物は地域の医療マップから姿を消しましたが、この事件が全国の医療機関に与えた影響は計り知れません。厚生労働省や日本看護協会は事件を受け、以下の具体的な安全対策ガイドラインを全国に通達しました。
- 点滴管理の厳格化:点滴バッグへの事前混注を原則禁止とし、患者へ投与する直前の調剤・ダブルチェックを徹底。
- ナースステーションのセキュリティー強化:部外者や非番スタッフの立ち入り制限、施錠管理、防犯カメラの設置。
- 消毒薬・薬品の管理区分見直し:ヂアミトール等の逆性石けん液を含む毒性薬品の定数管理と出納記録の義務化。